資生堂は、グレープフルーツやペッパー、フェンネル、エストラゴン(タラゴン)の香りの効果によって、中性脂肪を「燃焼」させるタンパク質「UCP(uncoupling
protein:脱共役タンパク質)」の発現を高める、新スリミング理論(UCP理論)を世界で初めて確立しました。本研究では、香りを嗅ぐことによって、UCPの発現に効果的な生理活性物質「ノルアドレナリン」の分泌を促すとともに、中性脂肪の「分解」を促進する有効成分「カフェイン」との相乗効果で中性脂肪を「燃焼」させることを理論化しました。
痩せるためには中性脂肪が「分解」されて遊離脂肪酸となり、さらにその遊離脂肪酸が「燃焼」されてエネルギーとして消費されることが必要です。中性脂肪が「分解」されて生じた遊離脂肪酸は、「燃焼」されないと再び中性脂肪へと合成され、皮下の脂肪細胞に貯蔵されます。
従来のスリミング化粧品には、中性脂肪を「分解」するための有効成分が配合されてきましたが、「燃焼」する(=痩せる)ためには、さらに運動をし、筋肉で遊離脂肪酸を消費することが必要と考えられてきました。
今回の研究成果により、化粧品によって、中性脂肪の「分解」から「燃焼」へ、さらに一歩進んだアプローチが可能となりました。
中性脂肪燃焼とUCP
脂肪細胞の大半は
「白色脂肪細胞」が占めており、白色脂肪細胞の数や細胞中に貯蔵されている中性脂肪の量が増えることが、ボディーラインが崩れる原因となっています。白色脂肪細胞の中に貯蔵されている中性脂肪は、「分解」されると遊離脂肪酸となって、血管の中を循環しますが、運動等によって「燃焼」されなければ、再び中性脂肪に合成されてしまいます。
しかし近年の研究によって、白色脂肪細胞中に中性脂肪を「燃焼」させるタンパク質「UCP」が存在することがわかってきました。UCPは、体温保持に関連が深い「褐色脂肪細胞」中に存在することは、既に知られていました。褐色脂肪細胞においては、中性脂肪が「分解」されて生じた遊離脂肪酸は、UCPの働きによって直ちに細胞内で「燃焼」され、運動とは異なった経路で、効率よく熱エネルギーに変換されます。
資生堂はこの事実に着目し、皮下の白色脂肪細胞の中で、UCPを効果的に発現・活性化させ、運動以外で中性脂肪を「燃焼」させる方法を模索しました。
UCPは現在医薬品業界でも注目されており、抗肥満薬の1つの候補としてUCP制御(産生)薬剤の開発も進められています。
新スリミング理論 「UCP理論」
資生堂は、ノルアドレナリンの働きによって、UCPの遺伝子が皮下の白色脂肪細胞中に発現することを実証しました。さらにノルアドレナリンとカフェインを組み合わせると、UCPの遺伝子発現が相乗的に増強されることを発見しました。
そこで、ノルアドレナリンが交感神経の活性化によって分泌されることに着目し、香りが人間の心や体に及ぼす効果の研究「アロマコロジー」技術を応用して、香りによる交感神経の活性化を試みました。その結果、グレープフルーツ、ペッパー、フェンネル、エストラゴンといった香料に、顕著な交感神経活性効果を見出しました。
この発見に基づいて、